骨盤体操だけじゃダメ!骨盤底筋体操でインナーマッスルを鍛える | うららかリズム

更年期の尿もれや便秘の原因に!体操で骨盤底筋のゆるみを改善しよう

骨盤を鍛えた方がいいというのはよく聞きますが、骨盤底筋というのは知らない方が多いのではないでしょうか。骨盤底筋は、内臓を支えたり、排尿・排便のコントロールをしたりと重要な役割を担う筋肉群です。年齢とともに変化する骨盤底筋を、簡単な体操で鍛えましょう。

知っていますか?「骨盤底筋」

美容と健康にいい習慣として、骨盤体操が注目されています。骨盤は体の中心にあり、体を支えるための重要な役割を担っています。「骨盤を鍛えるといい」というのはよく知られていますが、「骨盤底筋(こつばんていきん)」という言葉は聞きなれないという方も多いのではないでしょうか。

骨盤底筋は、名称の通り骨盤の底に位置する筋肉のことです。実はひとつの筋肉ではなく、肛門挙筋(こうもんきょきん)・尿生殖隔膜(にょうせいしょくかくまく)・ 膣括約筋(ちつかくやくきん)・2つの外肛門括約筋(がいこうもんかつやくきん)から成る筋肉群の総称です。「ハンモック状になっている」と言うとイメージが付きやすいかと思いますが、子宮や膀胱をはじめとする内臓を下から支えるという重要な役割を果たしています。

骨盤底筋はいわゆる「インナーマッスル」と呼ばれる筋肉で、ここが緩むとボディラインが崩れたり、姿勢が悪くなったりと様々な影響が現れます。更年期に悩まされる尿漏れも、そんな骨盤底筋の緩みから現れる変化のひとつです。

今回はそんな縁の下の力持ち、「骨盤底筋」に注目してみたいと思います。

女性ホルモンの欠乏と骨盤底筋のゆるみ

美しいボディラインと姿勢を保ってくれる骨盤底筋。骨盤底筋が緩むと、必然的にボディラインや姿勢も崩れていってしまいます。そこでまずは、骨盤底筋が緩む原因を知ることから始めていきましょう。

 骨盤底筋が緩んでしまう原因

骨盤底筋が緩んでしまう原因の中には、妊娠や閉経など、女性ならではのものもあります。

・妊娠・出産

妊娠すると、骨盤底筋の負担が大きくなります。赤ちゃんがいる分、重たくなった子宮をずっと支え続けるわけですから、筋肉にはどんどん疲労が溜まっていきます。そして出産時には、いきむ力と赤ちゃんが生まれてこようとする力が加わり、さらなる負担が掛かります。そのため骨盤底筋は、妊娠前よりも伸びてゆるんだ状態になってしまいます。

・閉経

閉経を迎えると、卵巣機能が低下し女性ホルモン・エストロゲンの分泌量が減少します。エストロゲンには骨盤底筋を強化する作用があるため、分泌量が少なくなると、骨盤底筋のゆるみが発生しやすい状態となります。エストロゲンの減少は、この他にも女性の心と体に影響を及ぼし、更年期症状を引き起こす原因となります。

・加齢

筋力は年齢とともに弱くなっていきます。骨盤底筋も筋肉の集まりなので、年齢を重ねると共に衰えていきます。さらに更年期以降の女性の場合は、女性ホルモン・エストロゲンの減少により、骨盤底筋が弱まりやすい状態です。体型の崩れにもつながるため、骨盤底筋を鍛える体操などを取り入れましょう。

・運動不足

運動をしなければ、筋力はどんどん落ちて行ってしまいます。ほとんど運動をしない生活を続けていれば、骨盤底筋の筋力は落ちて緩んでいく一方です。軽いウォーキングを習慣にしたり、外出時に少しでも多く歩くように意識したりするなど、簡単にできることから始めてみてください。


このように、女性の場合は妊娠・出産のほか、女性ホルモン・エストロゲンの減少が骨盤底筋のゆるみに関係しています。エストロゲンは40歳を過ぎた頃から急激に分泌量が減っていくため、更年期の女性はもちろん、更年期を迎える前の女性も早めに対策していきましょう。

尿漏れの原因は骨盤底筋のゆるみかも?

更年期以降の女性が抱える悩みのひとつに「尿漏れ」があります。人に相談しづらい悩みなので、一人で悩んでいるという方も多いのではないでしょうか。もしかしたら、その尿漏れの原因は、骨盤底筋のゆるみかもしれません。

 尿漏れ(尿失禁)の症状とは

尿漏れ(尿失禁)の症状を具体的に説明すると、下記のようなものが挙げられます。

      ・咳、くしゃみ、笑うといったお腹に力の入る動作で漏れてしまう
      ・急激な尿意に襲われてトイレに間に合わない

日常のちょっとした動作でも尿が漏れてしまう場合があり、常に不安な気持ちを抱えている方もいるようです。また、急な尿意が怖くて外出を楽しめなくなるなど、精神面でもよくない影響が出てしまう場合もあります。

 骨盤底筋のゆるみで尿漏れが起こるメカニズム

骨盤底筋がゆるむと、支えていた内臓が下にさがってきて膀胱を圧迫します。通常よりも膀胱が押しつぶされたような状態になるので、少しお腹に力が入っただけでも尿が漏れてしまうことがあるのです。
また骨盤底筋には、筋肉の収縮によって排尿をコントロールするという役割があります。骨盤底筋がゆるんで収縮する力が弱くなれば、うまく排尿を止めることができず、尿漏れが発生しやすくなります。

もともと女性は、男性に比べて尿漏れを起こしやすいと言われています。それは、尿道が短くて比較的まっすぐであるという構造のため。さらに妊娠・出産や女性ホルモンのバランスの乱れなどにより、骨盤底筋がゆるみやすいため、尿漏れに悩まされる方が少なくありません。

骨盤底筋は筋肉なので、弱らせないためには運動などで鍛えることが必要です。また、女性ホルモン・エストロゲンが減少する更年期には、ホルモンバランスの乱れにも気を付けたいところです。

「まだ閉経を迎えていないし、更年期じゃないから大丈夫」と思っている方も、油断は大敵です。エストロゲンの分泌量が急激に減少するのは40歳以降の更年期ですが、実は30歳前後からエストロゲンは緩やかに減り始めています。更年期を迎える前に、早い段階から対策しておくことが大切です。

年齢とともに減ってしまったエストロゲンの分泌量は、残念ながら増やすことができません。しかし、エストロゲンと似た働きをする成分を摂ることで、同じような効果を期待することができます。

女性の味方「エクオール」

エストロゲンとよく似た働きをすることで知られているのが、大豆イソフラボンから生まれる「エクオール」という成分です。大豆イソフラボンが美容にいいということは、一般的に広く知られています。このエクオールという成分は、大豆イソフラボン以上にエストロゲンに似た構造を持っていて、更年期に現れる様々な症状を緩和する効果が期待されています。

ちなみに、エクオールは食材からは直接摂取することができません。というのも、エクオールは大豆イソフラボンが「腸内細菌」によって変換されて生まれる成分だからです。
しかも、大豆イソフラボンをエクオールに進化させてくれる腸内細菌は、誰の体にでもいるという訳ではありません。さらにエクオールを作りだす腸内細菌を持っている人でも、その腸内細菌の働きが悪くなってエクオールを作れなくなることがあります。

そこで人気を集めているのが、エクオールサプリメントです。サプリメントは成分を直接摂取できるので、エクオールをつくれる人・つくれない人ともに取り入れている人が多いようです。ドラッグストアなどで手軽に購入できて、持ち運びに便利というのも人気の理由です。

ホルモンバランスの乱れが気になる方は、大豆製品やエクオールサプリメントなどを摂取して、減ってしまったエストロゲンの働きをサポートしてあげましょう。

骨盤底筋のゆるみが引き起こす弊害

骨盤底筋のゆるみが原因でき起きる症状は、尿漏れだけではありません。下記のような症状も、骨盤底筋のゆるみが原因となっている可能性があります。

・直腸性便秘

直腸性便秘は腸のぜん動運動に問題があるわけではなく、肛門に問題があることで発生します。肛門の動きが鈍く筋肉がゆるみにくくなっているため、どんなに力を入れてみても便が出てくれないのです。
肛門の動きが鈍くなってしまう原因としては、骨盤底筋の衰えが挙げられます。肛門をゆるめるためには骨盤底筋をうまく動かすことが必要なのですが、筋力が衰えて硬くなっていると、これがスムーズにできません。排出できずに直腸に留まった便は、時間が経つほどに水分を失って硬くなり、ますます排出しづらくなってしまいます。

・骨盤臓器脱

子宮・膀胱・直腸などが膣の外に出てきてしまうという症状を「骨盤臓器脱」といいます。これは、内臓を支えている骨盤底筋がゆるみ、支えきれなくなることで発症するものです。骨盤底筋が最もダメージを受ける出産や加齢によるゆるみが、特に骨盤臓器脱を引き起こしやすい原因です。

まだ初期段階であれば骨盤底筋を鍛える体操で改善することもあるそうですが、症状が進んでいると手術が必要になる場合もあります。放っておくと悪化しておく一方なので、膣のあたりに何かが挟まっているような違和感があるなら、早めに医療機関を受診するようにしてください。

骨盤底筋が弱ってしまうと、このように体に不調を及ぼします。ひどい場合には、骨盤臓器脱のように手術が必要になる病気を引き起こす恐れもあります。いつまでもきれいな姿勢を保ち、健康でいるために、早いうちから骨盤底筋を鍛えておきましょう。

骨盤底筋を鍛える体操

エクオールサプリメントなどで女性ホルモン・エストロゲンの働きをサポートしてあげることは、骨盤底筋の老化予防に効果的です。また、骨盤底筋を鍛える体操を組み合わせると、より高い効果を期待できます。

ここでは、簡単にできる体操を2つご紹介します。どちらの体操も、おへそを意識した腹式呼吸で行ないましょう。

 骨盤底筋を鍛える体操

  • ・仰向けで行なう体操
  • 1:仰向けになり、両膝を立てます。手の平と足の裏は床につけてください。
  • 2:膝を肩幅に開いたら、膝・おへそ・胸が一直線になるようなイメージでお尻を引き上げます。
  • 3:膣を締めながら5秒かけて息を吸います。
  • 4:膣を締めたまま5秒かけて息を吐き、吐き切ったところで脱力しお尻を床につけます。
  • 1~4までを1セットとして、1日5セットを目標に行ってください。
  • ・座って行なう体操
  • 1:背筋をまっすぐ伸ばして、椅子に腰かけます。
  • 2:足の間に丸めたバスタオル、もしくはクッションを挟みます。
  • 3:膣を締めることを意識して5秒数えながら息を吸い、内ももに力を入れます。
  • 4:膣を締めたまま5秒停止、その後また5秒かけてゆっくりと力を抜きます。
  • 1~4を1日3分間程度、繰り返し行なってください。

骨盤底筋体操で筋力を付けてあげれば、内臓が正しい位置に戻るためスタイルアップ効果も期待できます。体の芯を鍛えられるので、姿勢も美しくなりますよ。

トレーニングとエクオールで骨盤底筋のゆるみを防ごう

骨盤底筋は、男性よりも女性の方がゆるみやすいと言われています。それは、肛門・尿道・膣などの骨盤底筋の開口部が、女性の方が多いためです。

しかも骨盤底筋を強化する女性ホルモン・エストロゲンは、加齢とともに減少していき、更年期を迎える頃には分泌量が急激に少なくなってしまいます。骨盤底筋は内臓を支え、排尿や排便のコントロールを担う重要な筋肉ですので、衰えをそのままにすることはオススメできません。

骨盤底筋体操を鍛えることで、ボディラインや姿勢をきれいに保つ効果を期待できます。さらにエクオールや大豆イソフラボンでエストロゲンの働きをサポートしてあげることで、更年期症状の緩和や美容効果など、骨盤底筋のゆるみ改善以外にも嬉しい効果を得ることができます。

骨盤底筋体操は毎日数分でできるものなので、ぜひ毎日の生活に取り入れてみてください。