更年期以降に身に付けたい「思い出すチカラ」 | うららかリズム

いま身に付けたい「思い出すチカラ」

最近なんだか物事を思い出せなくて悩んでいるということはありませんか?

40代以降の更年期を迎え、思い出すチカラが衰えたという人は少なくありません。今回は、なぜ思い出すチカラが衰えてしまうのか、どうすれば思い出すチカラを保つことができるのか、原因と対策についてご紹介します。

思い出すチカラが衰え始めるのは、40~50代の更年期以降

更年期以降の記憶の衰え

更年期と呼ばれる40~50代の女性は、心身にさまざまな変化があらわれやすくなります。更年期症状というとホットフラッシュやイライラ・落ち込みなどを想像しますが、「思い出すチカラ」が衰えてきていると感じる人も多いようです。

実は思い出すチカラの減退は、更年期に起こるホルモンバランスの変化による影響が大きいといわれています。

40代以降の女性の身体では、女性らしさを司る女性ホルモンの分泌量が減少していきます。女性ホルモンには「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2種類がありますが、特にエストロゲンは更年期を迎えるころから急激に分泌量が減っていきます。このエストロゲンは、記憶力や脳の働きにも関わっているため、エストロゲンの減少によって思い出すチカラも減退してしまうと考えられるのです。

エストロゲンの減少も思い出すチカラの衰えも、いわゆる老化という自然現象のため完全に食い止めることはできません。しかし、生活習慣を見直したり、「エクオール」のようにエストロゲンの働きを補う成分を摂ったりすることで、そのスピードや程度を緩やかにすることは可能です。

記憶とはどういうもの?押さえておきたい記憶のメカニズム

記憶のメカニズム

物事を思い出すという作業は、まず「覚える」ことから始まります。その後脳内に「情報を蓄積」して、「たまった情報から必要なものを取り出す」という3つのステップで成り立っています。

更年期以降に衰えるのは最後の「取り出す」ステップです。うまく思い出せずに「あれ」「それ」という言葉を使う機会が最近多くなったと感じる人は、3つめのステップが衰え始めたと考えてください。

一方、記憶をスムーズに引き出せる人は、脳の回路のつながりが良好に保たれている若い脳を持った人といえます。記憶と美容は一見つながりがないもののようにも見えますが、思い出すチカラを鍛えることで心にゆとりが生まれれば、美容にも気を配る余裕が出てきます。そのため、脳の若さをキープしている方は見た目にも若々しい印象の方が多いようです。

若々しさや美しさを保つためにも、ぜひ日々「思い出すチカラ」の向上に努めていきましょう。

なお、注意力障害や認識力障害も一見うまく記憶を取り出せない状態に見えますが、「思い出すチカラ」の弱まりとは全く違うものです。注意力障害や認識力障害は、感覚で物事をとらえられなかったり認識がうまくできていなかったりといった別の状態なので、混同しないように注意しましょう。

「思い出すチカラ」の鍛え方

記憶はよく引き出しに例えられますが、思い出すチカラの衰えは、引き出しにしまった記憶をうまく取り出せない状態のことをあらわしています。放っておくと年齢と共に衰えてしまう「思い出すチカラ」ですが、トレーニングを重ねることで、記憶の引き出しをスムーズに開けられるようになります。このチカラを鍛えるポイントを3つご紹介します。

ポイント1. 自分の力で思い出す

自分の力で思い出す

第一に心がけておきたいのは、物事をパッと思い出せないからといってすぐにスマホやパソコンなどで調べずに、時間をかけてでも自分の力で思い出してみることです。

スマホやパソコンを使えばすぐに答えに辿りつけますが、あまり頼りすぎると「思い出すチカラ」はどんどん衰えてしまいます。例えば「5分以内に思い出せなければスマホで調べる」などとルールを決めて、まずは自分の力で思い出す習慣をつけましょう。

もし直接的に思い出すのが難しい場合は、思い出したい対象に関連するものを手がかりにしてみてください。

ポイント2. 脳の回路を鍛える

大豆から生まれるエクオールのチカラ

人との会話などを通じて脳を常に刺激し、脳の回路を鍛えることも大切です。

脳は筋肉と同じように、使用していないとどんどん衰えてしまいます。反対に、日常的に記憶の引き出しを開ける作業を行っていれば、年齢を重ねても引き出しをスムーズに開けられるようになります。

積極的に人と会話する、新しいことにチャレンジしてみるなど、日々脳を刺激するようにしましょう。

ポイント3. DHAやエクオールなどの成分を摂取する

大豆から生まれるエクオールのチカラ

ラットを用いた実験では、「DHA」という成分を摂取させたラットの記憶学習能力が、摂取しなかった個体に比べて優れていたという結果が報告されています。

DHAは青魚などから摂取できる成分で、記憶学習能力の向上に効果が期待されています。また、最近では「イチョウ葉」に含まれる成分も、記憶の精度を高める効果があると注目されています。

さらに、エストロゲンに似た働きをする「エクオール」という成分も、思い出すチカラを保つサポートをしてくれるといわれています。すでにお伝えした通り、更年期以降の記憶力の低下には、女性ホルモン・エストロゲンの減少が関係しています。エストロゲンに似た働きをするエクオールを摂取することで、思い出すチカラの維持を期待できます。

DHA・イチョウ葉・エクオールはサプリメントでも摂取することができます。気になる方はぜひ取り入れてみてください。

ストレスフリーの生活も重要

加齢による衰えだけでなく、ストレスや肉体的疲労などによっても記憶力が衰えることがあります。

ストレスは万病の元といわれますが、その理由は、肉体的・精神的なストレスがスムーズな血流を阻害し、ストレスホルモンと呼ばれる「コルチゾール」の分泌量を増加させるためです。コルチゾールによって脳の一部が委縮すると、細胞間の情報伝達能力が落ちてしまうともいわれています。

日常的に忙しくストレスがたまりがちな人は、ひとりでボーッとできる時間を作り、積極的に脳を休めてみてください。

いつまでも若々しく美しくいるために

いつまでも若々しく

更年期を迎えて脳が衰えると、心にも身体にも影響を与えてしまいます。健康を維持するためにも、自分にできることから始めていきましょう。

年齢による変化は自然現象なので完全に止めることはできませんが、そのスピードを遅くさせることは可能です。人と積極的に会話したり、DHAやエクオールなどのサプリメントを摂取したりして、脳をいつまでも若々しい状態に保っていきましょう。